最近の労働トラブル解決のヒント

残業代のトラブル
  • 会社側
    まず、残業の規定をきちんと明確にしましょう。明確でない場合は、従業員が出社した時間から退社した時間まで全てが勤務時間としてカウントされ、残業代支払の負担が多くなります。さらに従業員に対して時間管理の研修をしてだらだらとした仕事の仕方を改めさせ効率的に仕事をする職場環境を形成しましょう。
  • 従業員
    勤務時間後の仕事が命令されたものなのか、自主的なものなのかによって残業になるかならないかが異なってきます。ただ、仕事がたまっていればやらざるをえなくて大変ですね。その場合は、上司に仕事がたまっていること、誰かに協力をしてほしいこと等を相談してみましょう。いつまでも一人で仕事を抱え込んでしまうと残業代の問題ではなく、メンタルや身体の病気になってしまいます。
セクハラ(セクシュアルハラスメント)のトラブル
  • 会社側

    被害者と加害者の話をきちんと聴きましょう。決して「君が誘った」「君がだらしないからだ」等決め付けた言い方はしないようにしましょう。さらに相手を傷つけます。柔和な表情で相談者の話を相手の身になって真摯に聴いてください。それだけでも相手は信頼します。また、問題が大きくなった場合でも相談をきちんとしたことが考慮されます。

    そしてセクハラ規程を作成し会社としてセクハラを決して許さないことを宣言し、セクハラ研修をして従業員にセクハラに対するきちんとした知識を持ってもらいましょう。

  • 従業員側
    セクハラを受けた場合、我慢をしないですぐに相談をしてください。いつまでも我慢をしていると加害者は気づかず、さらにセクハラが続き大きなダメージになってしまいます。職場の上司が無理なら、同じ会社の女性の方に話を聴いてもらってください。彼女からさりげなく加害者に話してもらう方法もあります。加害者は言われなければセクハラで相手が傷ついていることが分からないのです。問題が大きくなると加害者も被害者も会社内で孤立してしまいがちになるので、まずは「嫌だな」と感じたら即相談です。
パワハラ(パワーハラスメント)のトラブル
  • 会社側
    上司は部下に同じように叱っていても、人によって受け取り方は異なります。つまり「君は仕事ができないのろまだ」といった一言でも、A君は「よーしかんばるぞ!」と思うかもしれませんが、反対にB君は「僕は何をやってもだめなんだ」と落ち込むかもしれません。パワハラの重要な問題は、加害者が自分が加害者だと気づかないことです。難しいことですが、職場のコミュニケーションを良くして各自の性格を把握して、怒る時でも決して人格を否定する言葉は使わないことです。「仕事ができないやつだ」と怒りたければ、「なぜ、仕事がうまくいかないのか一緒に考えよう」と突き放すのではなく、寄り添う気持ちを持つことです。パワハラをなくすには、管理職と社員とパートというように階層別のパワハラ研修が有効です。つまり、管理職と職員という上下のパワハラだけでなく、社員同士や社員とパートというように横のいじめというパワハラがあるからです。職場のコミュニケーションもよくなり、利益アップにつながります。
  • 従業員側

    本当に仕事ができなくて叱られているのかをよく考えて下さい。いつも叱られるのは自分だけか、理不尽なことをされていないか、何度も執拗に言われていないか等です。上司からのパワハラは、言われたら一度きちんと考えてください。そして一番重要なことは人格を否定されていないかです。仕事ができないことは事実としても、人格まで悪く言われることはありません。その場合はきちんと反論してください。言った方は、相手が傷ついていることが分からないのです。その言葉で自分がどれだけ傷ついたか分かってもらうことが必要です。分かってもらえなければ、いつまでも人格を否定する言葉が続きます。

    その結果メンタル不調になることはよくあります。我慢はしないでください。自分で上司に何も言えなければ、他の部署の上司や同僚に相談してください。ただ傷ついたことを話せばよいのです。また、職場のいじめもパワハラと言われています。職場でいじめられたらすぐに他の部署の方に相談してください。パートだから、派遣だからとすぐ辞めるのではなく、一度は相談です。

メンタルヘルスのトラブル(長期休業トラブル)
  • 会社側
    メンタル不調での長期休業者がいる場合は、まず、必ず休業者の相談窓口となる担当者を置いてください。そして、月に2度状況を聴いて、会社の情報も伝え、コンタクトをとり続けます。職場に復帰するときも、相手のことをよく考えて、まずは短時間勤務から始めます。それとともに、今後のことを考えて就業規則の中の休業規程を見直すとよいでしょう。また、メンタル不調は職場のコミュニケーション不足から起こることが多いので従業員のメンタルヘルス対策研修とコミュニケーション研修を組み合わせた研修を行うと有益です。
  • 従業員側
    メンタル系の病気はなかなか治らずつらいと思います。時々出社できるようになればきちんと会社と話をしてまずは短時間勤務から始めてください。重要なことは無理をしないことです。無理だと感じたら会社の担当者に相談してください。